【実録】WordPress/プラグイン未更新の末路 問い合わせフォームは送信成功でも“メールが届かない”

1. きっかけは「問い合わせが減った気がする」だった

ある建築系の小さな会社(社員8名・WordPressサイト運用)がありました。
ホームページは5年前に制作し、担当は経理の女性。内容更新は年に数回、「お知らせ」と求人情報だけ。

ある日、社長がふとこう言いました。

「最近ホームページからの問い合わせ、全然来てないな」

もともと月に3〜5件は新規見積の問い合わせが来ていたので、静かすぎる。
念のためフォームからテスト送信してみると、「送信が完了しました」の文字。
しかし受信箱には何も届かない。


2. 原因その①:放置されたプラグインが壊していた

この会社のホームページはWordPressで作られており、フォーム部分は「Contact Form 7」という有名なプラグインを使っていました。
制作当時は安定して動いていましたが、5年間、WordPress本体もプラグインも一度も更新されていませんでした。

サーバー会社がPHP(WordPressを動かすエンジン)を自動で最新化したことにより、
古いプラグインが動かなくなり、メール送信部分で「途中エラー」が起きていたのです。

フォームの画面上は成功表示が出ているため、ユーザーも送信者も気づかない。
つまり、見た目は正常・中身は故障という最悪の状態でした。


3. 原因その②:サーバー側の迷惑メール防止ルール変更

さらに、サーバーの迷惑メール対策が強化され、「なりすまし判定」で弾かれる設定が自動適用されていました。
WordPressはフォーム送信時に内部的に「PHP mail関数」を使ってメールを送るのですが、
この関数を使うと、送信元が正しいドメインで署名されない(SPF/DKIM認証に失敗)ことがあります。

その結果、送信処理は成功しているのに、受信者(会社のメールサーバー)側で完全ブロック。
つまり、“誰にも届かないメールを送り続けていた”という状態でした。


4. 復旧の経緯

  1. まずWordPressを手動でバックアップ。

  2. 本体とContact Form 7を最新版へアップデート。

  3. メール送信をPHPではなく、SMTPプラグイン(WP Mail SMTP)を経由するよう設定変更。

  4. ドメイン側にSPF/DKIM設定を追加し、正しい署名で送信できるよう調整。

  5. さらにフォーム送信ログを記録できるプラグインを導入。

その結果、再びメールは正常に届くようになりました。
放置期間は約7か月。問い合わせがゼロになっていた実損は計り知れません。


5. 原因その③:プラグインの「自動更新」が勝手に走っていた

実は、もうひとつ裏のトラブルがありました。
数年前に別の業者が「自動更新」をオンにしていたため、ある日深夜に自動で一部のプラグインだけが更新されていました。

結果、フォーム送信機能とデザインを制御しているテーマがズレ、
「お問い合わせ」ページのレイアウトが崩壊。スマホではボタンが押せなくなっていました。

つまり、「更新しないリスク」と「自動で更新されるリスク」が同時に発生していたわけです。


6. 自動更新の何が危険なのか

WordPressには便利な「自動更新」機能があります。
確かにセキュリティを保つには有効ですが、**更新後に“確認しない運用”**が最大の落とし穴です。

プラグインはそれぞれ作った人が違い、更新のたびに細かな仕様変更や依存関係のズレが生じます。
ひとつでもテーマや別プラグインと相性が悪いと、画面が白くなったり、送信が止まったり、崩れたりします。

実際、この会社では「夜中の自動更新」で崩れた状態が3週間以上そのまま
社員もスマホでは見ていなかったため、発見が遅れました。


7. 今後の対策:自動でも放置でもなく“点検型”運用へ

復旧後、この会社では次のように運用ルールを変更しました。

項目内容
WordPress本体自動更新をOFF。毎月1回、点検日に手動更新。
プラグイン一括更新せず、1つずつ順番に動作確認。
バックアップ自動+手動の2重化。復旧手順書を紙で残す。
フォーム送信月初にテスト送信し、2宛先で受信を確認。
ログ管理WP Mail SMTP+送信履歴プラグインで保存。

これにより、「更新しない」「自動で壊れる」両方のリスクを抑えられるようになりました。


8. 保守契約をしていなかった代償

この会社は当初「自分たちで更新できるから」と保守契約を結んでいませんでした。
しかし、今回の件で**“更新できること”と“安全に運用できること”は別**だと痛感したそうです。

結果的に、緊急復旧と再構築で数万円の出費。
「月1〜2回の点検を頼んでおけば、このトラブルは防げた」と代表が後に語っています。


9. 専門業者による“軽い点検”で防げること

  • フォームが本当に届いているかのテスト送信

  • SSL証明書やドメイン更新期限のチェック

  • プラグインの競合や古いテーマの確認

  • 自動更新後のデザイン崩れ確認

これらを月1で見るだけで、トラブルの9割は避けられます。
「何も起きていない今こそ、点検すべき」——それが今回の教訓です。


10. まとめ:更新を“止めない”“任せきりにしない”

WordPressの更新は、怠ると壊れ、自動でも壊れる。
だからこそ「誰が、いつ、どこを見るか」を決めておくことが一番の防御です。

放置は“静かな破壊”
自動は“見えない破壊”

その両方を防ぐのが、毎月の「手動点検+軽い保守」です。


当事務所のサポート

当事務所では、今回のようなケースを多数復旧してきました。
WordPressの更新代行・自動更新の見直し・メール不達対策・SSL期限管理を、
月額18,000円の定額保守で実施しています。

「今のままで大丈夫か不安」という段階でも構いません。
一度、点検だけでもご相談ください。

まずは無料相談

HPや集客のこと、何でもお気軽にご相談ください。
下記フォーム、またはメール(info@fukumovie.com)にてご連絡ください。内容を確認後、担当者より折り返しご連絡いたします。



※電話でも可





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