【コレ実話】5年以上WordPressを更新していない人へ

5年以上WordPressを更新していない人へ

——「今まで大丈夫」は、やり方を知らないだけという現実

まず、事実から

5年以上更新していない企業は、「更新しないと危ない」という認識がそもそもないことが多い。さらに、更新の正しいやり方(順番・検証・バックアップ・ロールバック)も知らない。
そのため「そろそろ更新しておこうか」という発想にすら至りません。
これが、最初に立ちはだかる根本の課題です。


ホームページは真っ白になり何も表示されなくなった

ある日、「ページの文言だけ差し替えてほしい」と依頼を受け、現状点検したところ、本体もプラグインも5年以上未更新
私は「この状態でいきなり更新は非常に危険。やるなら手順が必要」と説明。
ただ、クライアント側の意向で、先にクライアントご自身で更新していただくことになった。やり方の説明も実施。ただし、エラーが生じる危険性は高いことも説明。

結果、画面は真っ白(White Screen of Death)。管理画面にもログインできず、完全に操作不能の状態に。

緊急対応としてサーバー側からプラグインを停止し、段階的に復旧と互換性調整を実施。
最終的に回復しましたが、当然ながら復旧には専門作業としての費用が発生しました。

なぜ、こうなるのか

  • 長期未更新のWordPressでは、つぎの「世代ズレ」が静かに積み上がります。
    ・WordPress本体の世代
    ・テーマ(親/子テーマを含む)の世代
    ・各プラグインの世代
    ・サーバー側PHPの世代(7.3/7.4/8.0…)
    このズレが大きいほど、相性の悪さ=互換性エラーが起きやすくなります。

    【具体例】
    例1)プラグインが「PHP8前提」なのに、サーバーは7.3のまま → 致命的エラーで白画面(WSoD)。
    例2)古いテーマ+新しいjQuery前提のプラグイン → ボタンが押せない/フォームが送れない。
    例3)メール送信をPHPのmail()のまま放置 → 受信側で拒否・破棄されても気づけない(不達)。

    「すべて更新」を一気に押すと、複数箇所が同時に動くため、
    ・どこで壊れたか切り分けできない
    ・戻す手順がないと復旧不能
    という“断層落ち”が起きます。

    さらに、バックアップがあっても
    ・復元テストをしていない(戻し方が未検証)
    ・DBとファイルの世代がズレている
    ・ステージング(検証用コピー)が無い
    — これらが重なると、「壊れてから元に戻す」こと自体が難しくなります。

    ■結論(教訓の言い換え)
    更新とは、いきなり直す作業ではなく、次の順で“安全に試してから進める”仕事です。

    1. 退路を確保:フルバックアップ+実際に復元テスト(本当に戻せることを確認)

    2. 実験場で試す:ステージングで本番を止めずに検証

    3. 小刻みに進める:PHP → 本体 → テーマ → プラグインの順で、1つ上げて1つ確認(ダメなら即ロールバック)

    この「退路/実験場/小刻み」の3点セットがそろって初めて、更新は“安定運用のための改善”になります。
    「直すために触る」のではなく、「戻せる準備をしてから触る」へ。ここが、復旧に追われるか、安定して守れるかの分岐点です。


“自分で更新”を選ぶ前に、これだけは読んでください

次の項目が1つでも当てはまるなら、管理画面で「すべて更新」は絶対に押さないでください。

  • 最終更新から2年以上空いている

  • PHPバージョンが古い/分からない(例:7.3以前)

  • テーマの子テーマ上書きテンプレを使っている(分からないなら使っている前提)

  • WooCommerceや多言語など複雑なプラグインが入っている

  • バックアップのリストア手順を自分でテストしたことがない

  • ステージング環境(検証用コピーサイト)がない

1つでも該当=高リスク帯です。


安全に更新する「順番」と「判断基準」(最短版)

  1. フルバックアップ(ファイル+DB)*を取得し、復元テスト済みであることを確認

  2. ステージングを作成(本番コピー)

  3. PHPを段階上げ(例:7.4→8.0→8.1)、その都度エラー確認

  4. WordPress本体→テーマ→プラグインの順で小刻みに更新

  5. 主要導線の実機テスト(フォーム送信/検索/会員・決済/多言語/管理ログイン)

  6. 本番へ反映。直後・翌日・1週間後に簡易点検(特にフォーム)

  7. ロールバック手順(戻し方)を紙でも残す

ポイント:“一気に”はやらない壊れたら戻せる状態を作ってから進める。


「復旧に料金が発生する理由」を正直に書きます

  • 原因は同時多発(本体とテーマとプラグインとPHP)。

  • 再現には検証環境の構築と段階的な切り分けが必要。

  • さらに再発防止(代替プラグイン選定、テンプレ差分移植、フォーム監視、301設計など)までやる。

  • これらは時間と専門性を要するため、費用が発生します。

予防(正しい月次保守)>>> 事後復旧
——この非対称が現実です。1回の事故復旧で年額保守費に匹敵することは珍しくありません。


まとめ:

5年以上更新していないのは、怠慢ではなく「知らない」だけの企業が多い
そして、知らないまま触れば壊れる確率が高いです
壊れてから直すの費用も高くつき、直すまではHPはエラー表示のまま。(HPを見たお客様は何か問題が起きたことがすぐにわかります)
ワードプレスとプラグインのアップデートは必ず月に一回はチェックしましょう!


当事務所のサポート

当事務所では、今回のようなケースを多数復旧してきました。
WordPressの更新代行・自動更新の見直し・メール不達対策・SSL期限管理を、
月額18,000円の定額保守で実施しています。

「今のままで大丈夫か不安」という段階でも構いません。
一度、点検だけでもご相談ください。

まずは無料相談

HPや集客のこと、何でもお気軽にご相談ください。
下記フォーム、またはメール(info@fukumovie.com)にてご連絡ください。内容を確認後、担当者より折り返しご連絡いたします。



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