初めて、契約前に止めることができました。
本日、大きな意味のある日になりました。
これまでPR企画事務所には、ホームページ制作、Web広告、SNS運用などをめぐる高額・長期契約について、何度も相談が寄せられてきました。しかし、そのほとんどが「もう契約してしまいました。どうしたらいいですか?」というところから始まっていました。
そこから契約書を確認し、営業時の説明、契約期間、支払先、信販会社との契約、中途解約の条件、残債、実際に提供されているサービス内容などを一つずつ調べます。
しかし、その時点ではすでに契約後です。契約書には署名・押印があり、控えも残っている。さらに信販会社との支払契約まで成立し、場合によっては毎月の支払いも始まっています。
私がこれまで実際に関わったこの種の高額なWeb・IT契約では、その状態から契約を覆そうとしても極めて厳しいケースばかりでした。
そのたびに思っていました。
「契約する前に相談してくれていたら」
そして今回、ようやく契約前の段階で相談してもらえました。
打ち合わせをしたクライアントが、Web・IT系の集客サービスについて営業を受け、前日にZoomで説明を聞き、「良さそうだ」と感じていました。しかし、まだ契約はしていませんでした。
私は話を聞いて、「一度こちらで調べます」と伝えました。そこから運営会社、サービス内容、料金体系、販売方法、信販契約、中途解約、契約終了後の費用、販売パートナー制度、第三者から出ている相談や口コミまで調べました。
その結果、少なくとも「正式な提案書・見積書・契約書を確認するまでは契約を進めない」というところで、一度止めることができました。
だから、このブログを書きます。同じようなWeb・IT集客営業を受けている誰かが、契約する前にこの記事を見つけて、「ちょっと待てよ」と一度立ち止まってくれれば、それだけでも書く意味があると思っています。
なぜ私は「このまま契約を進めてはいけない」と判断したのか
今回、私が強く警戒した理由は、一件の悪い口コミを見つけたからではありません。
今回のサービス、その運営会社、関連する旧サービスについて、Yahoo!知恵袋、法律相談サイト、地図サービスの口コミ、電話番号口コミサイトなど、公開されている情報を横断して調べました。
すると、別々の時期、別々の人、別々の媒体であるにもかかわらず、5年・60回払いなどの長期契約、信販会社を介した支払い、中途解約、広告成果、LPやホームページの品質、契約後のサポートといった共通する論点が繰り返し出てきました。
中には、広告効果を感じられない状態が続いている、契約後のサポートや報告に不満がある、制作物の品質に納得できない、それでも長期間の支払いが残っている、と訴える相談もありました。
ここは明確に区別します。これらは第三者による投稿や相談です。私は投稿者本人の契約書や証拠を直接確認していません。裁判所や行政機関がすべてを事実認定した内容でもありません。
しかし、一件ではありません。別々の人が、別々の場所で、非常によく似た契約構造やトラブルを訴えている。
私は、ここを非常に重く見ました。
口コミだけではありません。公式情報にも警戒すべき点がありました
第三者の口コミだけで会社を判断することはできません。そこで、運営側が自ら公開している公式情報も確認しました。
今回調査したサービスの販売パートナー向け公式ページには、200万円を超える販売価格の例に対し、販売パートナーへの報酬イメージが100万円を超える例が掲載されています。回数払い型についても、高額な報酬が発生し得る販売モデルが示されています。
これは、営業担当者個人がその金額を受け取るという意味ではありません。公式に確認できるのは、あくまで販売パートナー向けの報酬体系の一例です。
さらに同じ公式ページでは、営業資料やトークスクリプトの提供、商談への同行、デモ環境、アポイントの提供など、販売を支援する仕組みも案内されています。
つまり、販売パートナー側には、契約を獲得するための仕組みと、契約成立によって大きな報酬が発生し得る制度が用意されています。
一方、今回調査した運営会社の一般向け公式FAQでは、毎月の支払いや残債について、契約している信販会社へ問い合わせるよう案内されています。また、中途解約については、残債を一括精算する場合を除き、中途解約できない旨が記載されています。
サービスに満足できない。思ったような成果が出ない。もう使いたくない。そう思ったとしても、「サービスを使うことをやめる」ことと「残りの支払いがなくなる」ことは別問題になる契約が存在するということです。
さらに同じFAQには、契約期間終了後、申し出がなければ1年ごとに自動更新されることや、契約満了後にも継続費・再リース代金や保守管理費が発生する旨が案内されています。
もちろん、今回クライアントへこれから提示される個別契約が、この一般FAQとまったく同じ条件になるとは限りません。正式な提案書・見積書・契約書をまだ確認していない以上、そこは断定できません。
今回のクライアントについても、正式な書面を確認し、総額、契約期間、支払先、中途解約、残債、広告費、契約満了後の条件まで精査した上で判断する必要があると考えました。
「月々5万円」ではなく「総額300万円」です
高額なWeb・IT契約を見る時に、月額だけで判断しないでください。
例えば「月々5万円です」と聞けば、「集客できるなら払えるかもしれない」と感じる経営者もいるでしょう。しかし、5万円を60回支払えば総額300万円です。月7万円を60回なら総額420万円になります。
見るべきなのは月額ではありません。総支払額です。
営業担当者から月額を提示されたら、まず「最初から最後まで、全部でいくら払う契約ですか?」と聞いてください。
「月5万円の商品」ではありません。「総額300万円の商品を60回に分けて支払う契約」として判断する必要があります。
300万円を現金で机の上に置いて、「このWebサービスを300万円で購入しますか?」と聞かれたとしても契約するのか。そこまで考えてみてください。
そして、信販会社が入る場合は、普通の月額サービスと同じ感覚で考えないでください。数百万円の商品やサービスの代金を分割して支払う契約であれば、「使わなくなったから来月から支払いも終わり」と単純には考えられません。
「誰と、何について、どのような支払契約を結ぶのか」まで確認する必要があります。
契約書にサインしてから「弁護士に頼めばいい」では遅い
「もし問題のある契約だったとしても、後から弁護士に頼めば何とかなる」
そう考えているのであれば、少なくとも私がこれまで経験してきたケースとは、まったく違います。
私がこの種の高額なWeb・IT契約について実際に弁護士へ相談したケースでは、私の経験上100%、例外なく、ほぼ即答で「無理です」という回答でした。
しかも、こちらが全部の事情を説明し終わってからではありません。契約書を確認し、契約の概要を話している途中です。
「それ無理です」
という反応です。「やってみないと分からない」「少し難しい」という話ではありません。「そこから覆すのは無理」「やっても無駄」という趣旨です。
なぜそこまで厳しいのか。
私が見てきたケースでは、契約書に本人がサインしている。印鑑も押している。契約書の控えもある。さらに信販会社との支払契約が成立し、毎月の支払いまで始まっている。
つまり、「契約した」という事実を示す書類や記録が、何重にも残っている状態です。
重要なのは印鑑一つではありません。署名・押印した契約書、契約書の控え、信販会社との契約、申込記録、メール、支払記録など、契約成立までの記録が積み重なって残ることです。
その状態になってから「必要ありません」「成果が出ないからやめます」「営業から聞いていた話と違います」と主張しても、それだけで契約が消えるわけではありません。
もちろん、虚偽の説明があった、重要な事実を隠された、契約内容そのものに問題があるなど、個別事情によって法的な判断が変わる可能性はあります。
しかし、私が実際に関わったケースでは、契約後に弁護士へ相談して解決できたケースは一件もありませんでした。
問題はWebではなく、相手が詳しくないことを利用した売り方です
悪徳リフォーム、屋根の点検商法、シロアリ駆除、高額な設備リース。昔から問題になってきた悪質な商法には、専門知識のない相手との知識差を利用するものがあります。
私は、一部の高額なWeb・IT集客営業にも共通する構造があると感じています。
商材が屋根や外壁ではなく、ホームページ、SEO、MEO、Web広告、SNS、動画、そして今はAIに変わっただけです。
Webに詳しくない事業者に対して、「月々ならこれくらいです」と説明する。しかし契約全体を見ると、数年間、数十回払い、総額数百万円で、途中で抜けることも難しい。
問題なのは、相手が詳しくないことを利用して、高額な契約へ進ませることです。
実際、日本政策金融公庫が公開している相談事例には、小規模事業者が内容を十分理解しないまま、月8万円・5年間・総額480万円のリース契約を締結したケースがあります。同公庫は、実態が一般消費者に近いような小規模事業者を狙った「詐欺的な商法がよくみられます」と注意を促しています。
日本政策金融公庫「中小企業・小規模事業者によくある法律問題は?」
もちろん、Webサービスを高額で販売すること自体が悪いわけではありません。必要なサービスで、それだけの価値があり、契約条件も十分に説明され、納得した上で契約するのであれば問題ありません。
だからこそ、本来、プロがすべきことは、相手が分からないことを利用することではなく、分からないことを分かるように説明することだと思っています。
何ができるのか。何ができないのか。総額はいくらなのか。契約期間は何年なのか。途中で解約できるのか。広告費は別なのか。契約終了後にも費用が発生するのか。
メリットだけでなく、デメリットやリスクまで説明した上で、「それでも御社にはこの施策が必要です」と提案する。
それが、まともなWeb・IT会社の仕事ではないでしょうか。
もし、相手が詳しくないことを利用した売り方をしているのであれば、私はそれを健全なWeb支援とは思いません。
また、事業者向けの契約では、一般消費者向けの契約と同じようにクーリング・オフなどが適用されるとは限りません。ただし、「事業者だから必ず対象外」という単純な話でもなく、契約の目的や事業との関係、その取引への習熟度など、具体的な事情によって判断されます。
だからこそ、「問題があれば後から解約すればいい」と考えず、契約する前に内容を理解して判断することが重要です。
Web・SNS・AI集客の契約前に、最低でもこの12項目を確認してください
- 最初から最後までの総支払額はいくらですか?
- 契約期間は何年間ですか?
- 支払いは何回ですか?
- 支払先はサービス会社ですか? それとも信販会社ですか?
- 契約途中で解約できますか?
- 途中解約した場合、残債はいくら残りますか?
- 残債を一括で支払う必要がありますか?
- Google広告、Instagram広告、YouTube広告などの実際の広告費は契約料金に含まれていますか? 別料金ですか?
- LPやホームページの制作・修正費用はどこまで含まれていますか?
- 契約期間終了後は自動更新されますか?
- 契約終了後にも保守費、維持管理費、システム利用料などは発生しますか?
- 同業種で、広告費、問い合わせ数、問い合わせ1件を獲得するための費用、来店数、成約数など、具体的な実績を提示できますか?
そして、もう一つ。
「今日説明してもらった内容を、すべて書面でください」
これを必ず伝えてください。数十万円、数百万円になる契約を、その場の口頭説明だけで決める必要はありません。
値引きや営業担当者の人柄で契約を決めない
「今日なら値引きできます」「モニター価格です」「今回だけ特別です」「上司に確認したら安くできました」。営業でこのような話が出ることがあります。
本当に正当なキャンペーンの場合もありますし、値引き自体が悪いわけでもありません。
しかし、300万円の商品が250万円になったとしても、そのサービスが自社に必要なければ、50万円得したわけではありません。
250万円使っただけです。
同じように、担当者が親切だった、話しやすかった、自社を褒めてくれた、「一緒に頑張りましょう」と言ってくれたことと、契約内容が自社にとって良いかどうかは別の話です。
見るべきなのは、契約書、総額、契約期間、支払先、中途解約、残債、別途費用、契約終了後の条件です。
最後は、「その数百万円を支払って、それ以上の利益を自社が得られる合理的な根拠があるのか」で判断してください。
今回の会社を「違法」「詐欺」と断定しているわけではありません
ここは誤解のないように明確にしておきます。
今回営業を行った会社やサービスの正式名称は、この記事では記載しません。また、クライアントへこれから提示される正式な提案書、見積書、個別契約書についても、現時点ではまだ確認していません。
したがって、今回の会社やサービスについて「違法である」「詐欺である」と断定している記事ではありません。
一方で、公開情報を調査した結果、これまで私が相談を受けてきた高額なWeb・IT契約トラブルと共通する論点が複数確認できました。
だから、営業担当者の説明だけで判断せず、正式な書面を確認してから判断することにしました。
内容、総額、契約条件、リスクをすべて理解した上で必要だと判断するのであれば契約する。納得できなければ契約しない。他社と比較する。条件を交渉する。
その判断を、契約前にすればいいのです。
契約前でも、契約後でも、PR企画事務所に相談してください
もし今、Web広告、SNS運用、ホームページ、SEO、MEO、AI集客などの営業を受けていて、「これ、本当に契約して大丈夫なのかな?」と少しでも思ったのであれば、会社名やサービス名など、分かる範囲の情報をお送りください。
契約前の確認であれば、無料で調べます。
営業資料、見積書、提案書などがあれば、運営会社、サービス内容、料金体系、総支払額、契約期間、支払方法、信販会社、中途解約、残債、契約終了後の費用、公開されている相談事例などを確認します。
また、PR企画事務所には、これまでWeb・IT関連の契約トラブルについて相談を受け、企業やサービスを調査してきた中で蓄積した内部資料があります。
公表はしませんが、私が過去の相談や調査をもとに悪徳業者として警戒している事業者だけでも、数十社あります。
会社名やサービス名が変わっていたり、関連会社や別ブランドになっていたりするケースもあるため、過去の調査情報と照らし合わせることで分かることもあります。
もちろん、調べた結果、特に問題が確認できなければ、そのこともそのままお伝えします。何でも「怪しい」「契約するな」と言いたいわけではありません。調べて、内容を確認してから判断すればいいのです。
すでに契約してしまった方も相談してください
契約後は、契約前とは状況が大きく変わります。だからといって、何も確認せずに諦める必要はありません。
契約書、信販会社との契約、営業時の説明、メール、LINE、録音、提案書、見積書などを確認し、何が問題なのか、専門家へ何を伝えるべきなのか、こちらで過去に同じ事業者や類似事例を調査していないかを整理することはできます。
契約後であっても、一度相談してください。
ただ、できることなら契約前です。
契約書にサインする前。印鑑を押す前。信販会社の申込手続きをする前。
本記事は、Web・IT関連の高額契約について、契約前に確認すべきポイントを伝えることを目的としています。第三者による口コミ・法律相談については、投稿内容を確定事実として扱わず、公開情報に共通して現れる論点を確認するための参考情報として扱っています。また、現在進行中の個別案件について、特定の企業やサービスが違法・詐欺であると断定するものではありません。PR企画事務所による確認・調査は、Web・ITサービスや公開情報等を整理するものであり、法的判断や法律代理業務を行うものではありません。