旧バージョン放置が招く“静かな損失”を防ぐための5ステップ
1. なぜ今、PHP8への移行が「待ったなし」なのか
WordPressで構築されたサイトの多くが、PHP 7.3または7.4など旧バージョンのまま稼働しています。ところが、PHPのサポート終了や脆弱性リスクの増加、処理速度の停滞といった状況が影響し、WordPress公式・専門メディアともに「PHP 8以上への移行が推奨される」としています。
具体的には、PHP 8系ではJIT(Just-In-Time)コンパイル、型宣言強化、エラーハンドリング改善が取り入れられており、WordPressサイトの信頼性・速度・保守性を一段階引き上げるチャンスでもあります。
逆に言えば、PHP 7系のままで放置しているサイトは、
セキュリティパッチが出ないリスク(=攻撃対象になりやすい)
プラグイン・テーマがPHP 8対応を前提に設計されており、旧バージョンで互換エラーが起きる可能性
処理速度・SEO評価で出遅れる恐れ
といった“見えないコスト”がどんどん蓄積されているのです。
また、実際に「このサイトは古いバージョンのPHPを実行しており、セキュリティアップデートを受け取れません」と管理画面に警告が出るケースも増えています。
このような背景があるため、「7.3/7.4」から「PHP 8.x」へ移行するロードマップを、“安全に・段階的に・現場対応できる形で”提示することが、今すぐ必要です。
2. 移行前に押さえるべき「現状把握と判断基準」
移行を始める前に、サイトが「安全に移行できる状態にあるか」をチェックするための事前確認が欠かせません。以下の5点は必ず事前に検証してください
事前チェックリスト
サイトヘルスや「PHPの更新を推奨」などの管理画面警告が出ていないか。
使用中のテーマ/子テーマおよびプラグインのうち、PHP 8対応済みと明記されているものかどうか。
テーマ・プラグインが長期間更新されておらず、互換性情報が古いものは無効化または代替検討済みか。
サーバーのPHPバージョンが7.3/7.4など旧バージョンであり、PHP 8以上への切り替えがサーバーコントロールパネルで可能かどうか(例:レンタルサーバーの設定変更でOKか)
フルバックアップ(ファイル + DB)および復元テスト済み、ステージング環境の用意が可能かどうか。
これらのチェックに一つでも「いいえ」がある場合、“現場を止めずに更新できる環境”とは言えず、高リスク領域となります。特に「プラグイン互換性が不明」「ステージングがない」「バックアップ復元手順を試していない」の3つは、後述する「白画面」や「機能停止」につながる典型パターンです。
3. 安全に進めるための5ステップ・ロードマップ
ここから、PHP 8移行を「壊さず・止めず・成果を出す」ための5ステップを具体的に説明します。
(※対象:PHP 7.3/7.4 → PHP 8.0/8.1/8.2 を想定)
ステップ1:バックアップ&ステージング準備
本番サイトの完全バックアップ(FTP・ファイルすべて、データベース)を取得し、復元テストを行い「本当に戻せる」ことを確認。
ステージングサイト(本番をコピーした検証環境)を作成。テーマ・プラグイン・データを本番と同一にし、ユーザーに影響が出ない環境でテストを実施。
ステージングでは「PHP 7.3/7.4環境」(現状)→「PHP 8.0以上」まで段階切り替えを行えるよう、環境を整えておきます。
ステップ2:PHPを段階的に上げる(例:7.4→8.0→8.1)
まずステージングでPHPバージョンを「8.0」に切り替え、テーマ・プラグイン・サイト挙動をひとつずつ検証。
問題なければ「8.1」または「8.2」へ。無理に最新(例:8.3)へ飛ばさず、実績が多く安定したバージョンを採用するのが安全です。
各段階でテスト項目を実施:
管理画面ログイン/表示異常なし
フォーム送信/決済(ECサイトの場合)/検索機能が正常
エラーログにPHP警告・致命エラーが出ていないか
速度計測(LCP・FID等)で著しく遅くなっていないか
ステップ3:テーマ・プラグインと互換性チェック&更新
ステージングで互換性テストをして、問題が出たテーマやプラグインは無効化 or 差し替えを検討。
更新が止まっているテーマやプラグイン、もしくはPHP 8対応明記のないものは、放置せず早期対応が推奨されます。
不要なプラグインを整理して軽量化、将来のPHPアップも見据えた構成改善も行います。
ステップ4:本番反映+モニタリング開始
ステージングで問題がなければ、本番サーバーのPHPを切り替え(タイミングを深夜帯やアクセス低い時間帯に)。
切り替え直後、翌日、1週間後に**主要導線(フォーム・EC/ログイン・検索)**をそれぞれチェック。
さらに、しばらくの間はログ監視+サイトヘルスチェック+エラーログ確認を毎日行うことを推奨します。
ステップ5:成果確認+次の運用フェーズへ
移行後、速度改善・リソース削減・セキュリティリスク低減・SEO評価改善などを数値で確認しましょう。
また、移行完了を“終わり”とせず、月次保守&微改善サイクル(速度・導線・信頼性)へ移行することで、PHP 8対応の“効果”を確実に活かします。
次回のPHP/WordPress入力更新に備え、履歴と手順書を文書化しておくことも重要です。
4. よくあるトラブルとその回避策
| トラブル | 原因例 | 回避・対処策 |
|---|---|---|
| 白画面(WSoD) | 旧テーマ・プラグインがPHP 8で非互換 | ステージングで無効化、戻せるバックアップを準備 |
| フォームが動かない/メールが届かない | プラグインがPHP 8関数に未対応/SMTP未設定 | テスト送信+ログ確認+プラグイン差替え |
| 決済エラー/多言語サイトで表示崩れ | PHPバージョン上げて依存関数が変化 | ドキュメント確認・専門対応 |
| 検索順位が下がった | 表示速度低下/内部リンク崩れ/構造化データエラー | Speed測定+Search Console確認+改善実施 |
上記のようなトラブルは、**“準備不足・段階テストなし・バックアップ無/ステージング無”**が共通原因です。事前に時間とコストをかけておくことで、後からの復旧費用や機会損失が数倍になります。
5. なぜ“移行”ではなく“運用化”が鍵なのか
PHP 8への更新は重要ですが、真の価値はその後の運用と改善サイクルにあります。例えば、更新後に速度改善や導線改善を行い、月次で「止めない・古くしない・改善する」体制を持てていれば、サイトは一過性ではなく持続的に成果を出す資産となります。
私たちが提供する保守・改善プランでは、PHP 8移行だけで終わらず、
月次点検・更新・改善のルーチン化
フォーム・ログ・速度・SEOの監視
改善提案・レポートによる可視化
という“守りと攻め”をワンセットで提供しています。更新がない月も「微改善」に充てることで、サイトは常にリスクが低く、機会が高い状態を維持できます。
6. まず動き出すための3ステップ
無料48時間診断を申し込む(PHPバージョン・テーマ/プラグイン互換・バックアップ状況をチェック)
移行ロードマップと見積りを受け取り、実行フェーズに入る
移行完了+月次保守開始で「安心更新体制+成果改善体制」をつくる
まとめ
PHP 7.3/7.4で長期間運用しているサイトは、今まさに“更新の分岐点”にいます。移行作業を先延ばしにすれば、
突発的な障害(白画面・フォーム未達)
売上機会の損失
SEO・表示速度の低下
という「静かな損失」が積み重なります。
逆に、正しい手順でPHP 8へ移行し、月次保守体制を整えることで、サイトは“止まる資産”から“成長する資産”へ変わります。
今こそ、手を動かし、「安全・安心・成果」を備えたサイト運用に切り替えましょう。
当事務所のサポート
当事務所では、今回のようなケースを多数復旧してきました。
WordPressの更新代行・自動更新の見直し・メール不達対策・SSL期限管理を、
月額18,000円の定額保守で実施しています。
「今のままで大丈夫か不安」という段階でも構いません。
一度、点検だけでもご相談ください。
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