はじめに:ニュースで見た「サイバー攻撃」、あなたの会社にも関係あります
2025年秋、アサヒグループホールディングスがサイバー攻撃を受け、受注・出荷・コールセンター業務が停止しました。yahooニュース
同時期にアスクルも物流システム障害で出荷遅延、無印良品のオンラインストアにも影響が波及しています。INTERNET Watch
ニュースを見て「大企業は大変だな」と思われた方も多いでしょう。
でも、中小企業や個人事業主のホームページこそ、実は“静かに被害を受けやすい”ことをご存じでしょうか。
1. アサヒのケースは「狙われた」
アサヒグループの事件は、明確な標的型攻撃(ランサムウェア)です。
攻撃者は大企業をピンポイントで選び、株価や競合関係、取引データなどを狙って侵入します。
年間何億円ものセキュリティ投資をしても、世界的な犯罪組織とのいたちごっこが続く。
いわば「守っても破られる」極めて高度な戦いです。
これはもはや防ぎようがないレベルの攻撃——つまり「狙われた側の宿命」です。
2. 中小企業・個人サイトは「見つけられた」
一方、あなたの会社のホームページ。
こちらは誰かに恨まれて狙われるわけではありません。
ただし、更新を止めたWordPressは、世界中を飛び回る“自動スキャンボット”にとって格好の獲物です。
彼らはAIとスクリプトで「脆弱なサイト」を自動収集します。
バージョンが古い、未更新プラグインがある、SSLが切れている…そうした条件が揃ったサイトを“無差別”に感染・改ざんしていくのです。
攻撃の違いはこうです。
アサヒは「狙われた」。
あなたのサイトは「見つけられた」。
3. 放置されたWordPressが「見つけられる」メカニズム
● ① 世界中のボットが自動スキャン
脆弱性情報(CVE)は世界共通データベースに公開されています。
たとえば「Contact Form 7のVer5.3.1はファイルアップロードに欠陥あり」など。
すると攻撃者は“この版のこのファイル”を機械的に探すスクリプトを配布。
数十万サイトが数時間でスキャンされます。
● ② 更新が止まっているサイトが命中
あなたの会社が運営するホームページが、
WordPress 5.x
PHP7.4(サポート終了)
Contact Form 7(未更新)
SSL証明書期限切れ
といった条件を満たしていたら——機械的にヒットします。
● ③ 改ざん・リダイレクト・スパム拡散
侵入したスクリプトはサイトを改ざんし、
・スマホだけ別サイトに飛ばす
・外国語ページを量産してSEOスパム化
・スパムメールの踏み台化
といった被害を引き起こします。
会社を狙ったわけではなく、“放置の結果”感染するというのが実態です。
4. 実際に起きている“見つけられた被害”の実例
● WordPress REST API欠陥(2017年)
国内でも数千サイトが改ざん。ページタイトルが全て「Hacked by…」に変わる被害。
JPCERT/CC公式アラート
● Ninja Forms脆弱性(2022年)
73万サイトが自動更新対象に。更新しなかったサイトは改ざん被害。
さくらインターネット公式注意喚起
● SSL期限切れ(2025年1月)
ニチバン公式サイトで5日間閲覧不能に。
ニチバン公式お知らせ
● 問い合わせフォーム不具合(2024年)
浜松ホトニクスやDIMPLEX JAPANが「フォームからの問い合わせが届かない」ことを公式謝罪。
浜松ホトニクス公式
5. 被害の共通点:誰も気づかない
これらの被害は、“派手に止まらない”からこそ厄介です。
問い合わせフォームは送信できる、サイトも表示される——しかし裏で別サイトへリダイレクト、メールは届かず、アクセスは激減。
つまり、**営業や採用の現場では静かに「売上ゼロ化」**が進行しているのです。
6. 「狙われる vs 見つけられる」構図の違い
| 項目 | アサヒ・アスクル・無印 | 中小企業・個人HP |
|---|---|---|
| 攻撃種別 | 標的型攻撃(ランサムウェア等) | 無差別スキャン(自動化攻撃) |
| 動機 | 金銭・株価・競合妨害 | 脆弱性利用・スパム・SEO操作 |
| 攻撃方法 | 社内ネット/VPN/端末経由 | CMS・プラグイン・SSLの穴 |
| 規模 | 数千台・海外連携 | 1台単位・自動スクリプト |
| 対策費用 | 年間億単位 | 月1~2万円で十分 |
| 現実 | 守っても破られる | 放置したら確実に破られる |
7. 社長のための10問チェックリスト
最終更新日(WordPress/プラグイン/テーマ)を把握しているか?
PHPバージョンのサポート期限を知っているか?
SSL証明書の期限切れを自動監視しているか?
問い合わせフォームを月1回送信テストしているか?
管理者ID・PW・二段階認証を整備しているか?
日次バックアップ+復元テストを行っているか?
ドメイン・サーバ名義が会社名義か?
更新作業の担当が明確か?
改ざん検知・死活監視が動作しているか?
制作会社に“任せきり”になっていないか?
3つ以上×なら、あなたのサイトは**「見つけられやすいサイト」**です。
8. 「放置=節約」ではない。
たとえば、WordPressが真っ白になる(WSoD)と、復旧だけで10~30万円。
SSL証明書切れによる「安全でないサイト」警告で離脱率が3倍に跳ね上がるケースもあります。
それに比べれば、月額18,000円の保守費は“事故防止コスト”として極めて小さい。
9. 月額18,000円で守れるもの(モデルプラン例)
| 作業 | 内容 | 頻度 |
|---|---|---|
| WordPress・プラグイン更新 | 互換性検証+更新代行 | 月1 |
| SSL/ドメイン監視 | 期限・証明書エラー監視 | 常時 |
| バックアップ | 日次・自動保存・復元演習 | 毎日+年1 |
| 問い合わせフォームテスト | 実投テスト+ログ確認 | 月1 |
| 改ざん・死活監視 | 外部監視ツール連携 | 常時 |
| レポート | 更新履歴・監視結果 | 月1 |
| サポート窓口 | 緊急時対応(メール/電話) | 随時 |
これで「見つけられないサイト」になる。
10. 経営リスクとしての「放置」
サイト停止は売上や採用機会を直撃。
採用・営業・問い合わせのすべてがWeb経由の時代に、サイトが不安定=信用の喪失。
SEO・広告・SNS連携も、サイトの信頼性がベース。
更新を止めるということは、
「あなたの会社の信頼を一歩ずつ削る」行為です。
11. 今すぐできる初動
**「更新・バックアップ・監視」**の3点を今日から仕組み化。
担当者がいない場合、外部保守サービスを導入。
現在のテーマ/プラグイン一覧と更新履歴を記録。
12. まとめ:アサヒが狙われた日、あなたのサイトは“見つけられていた”かもしれない
大企業のニュースはテレビで取り上げられます。
でも、あなたの会社のサイトが一晩で改ざんされても、誰も報道してくれません。
被害は静かに、気づかぬうちに起こります。
「うちは小さいから関係ない」
その一言こそ、攻撃者が一番好む言葉です。
◆ 無料診断のご案内
初回30分の無料点検では、
WordPress・プラグイン更新状況
PHP・SSLサポート期限
フォーム送信テスト
バックアップ有無
をその場でチェック。
御社のサイトが“見つけられない”状態か、可視化します。
◆ 参考記事(同一テーマ)
まずは無料相談
HPや集客のこと、何でもお気軽にご相談ください。下記フォーム、またはメール(info@fukumovie.com)にてご連絡ください。内容を確認後、担当者より折り返しご連絡いたします。